長閑な雰囲気の住宅街を歩いていた。道は狭く自動車は入ってこられない。路地を静けさに包まれていた。そんな路地を歩いていると、ふと視線を感じた。周囲を見渡すと、青い壁の家の窓辺に女性が佇んでいるのが見えた。僕が感じた視線はこの女性のものだ。窓の縁に手を載せた女性は不思議そうに僕のことを見据えている。ひょっとしたら、この家の前を見知らぬ外国人が通りかかることなんてほとんどないことなのかもしれない。
雨戸には小さな黒いリボンがさりげなく貼られていた。これは追悼の意味が込められているのだろう。故国王に対するものに違いない。国王に対する敬愛は日本人の天皇に対するもの以上のような気がする。もっとも、タイの人すべてが敬愛しているとは限らないけれど。部屋の中に目を向けると、天井からミラーボールがぶら下がっていた。ディスコとかクラブにあるようなものだ。鈍く輝いているミラーボールは、黒リボンとはかなり対照的に見えてしまう。この国では個人宅にミラーボールを飾るのが一般的なことなのかどうかは、分からない。
2018年6月 人びと タイ | |
バンコク 窓 女性 |
No
10595
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年06月07日
更新日
2024年02月13日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA