ワシャワシャしているジャカルタ・コタ駅を立ち去り、そそくさとファタヒラ広場へ歩いて向かった。ファタヒラ広場はかつてバタヴィアと呼ばれたジャカルタの中心だ。インドネシアを植民地支配したオランダはここに商館を建て、アジア貿易の拠点としたのだ。今でも広場の周辺にはオランダ東インド会社が建てた重厚な建物が残っていて、広場はジャカルタ有数の観光名所になっている。
駅から広場に向かう途中には、観光客を目当てにした人びとが道端で商売をしていた。食べ物を出す屋台が多い。それに玩具の類いを販売している人も多かった。東南アジア全体を見渡すと、ここは著名な観光地という訳ではないからだろうか、歩道を歩いていても激しい客引きを受けることはなかった。買いたければ買えば?的な雰囲気で、明らかに外国人観光客だと分かる僕に声をかけてくる人はいない。
賑わっている歩道から目を移すと、今度は車道脇に駐められた馬車が何台も停まっていた。写真の馬車もその中の一台だ。馬車の御者と思しき男がひとりは馬の横で、もうひとりは座席に腰掛けていた。歩道で商いしている人たちと同じように、この人たちも僕に「馬車に乗らないか」なんて一言も声をかけてこない。ふたりはじっとしたまま客が来るのを待っていた。
2020年5月 インドネシア 乗り物 | |
馬車 客待ち 二人組 ジャカルタ |
No
11518
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年05月08日
更新日
2023年09月05日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF