曳舟駅で電車を降り、住宅街の中へと足を踏み入れると、小さな公園に出くわした。どこにでもある、ごく普通の公園だった。見慣れた遊具が置かれ、特筆すべきものは何もない。その中で地元の子どもたちが、思い思いに遊び回っていた。元気な声が公園全体に響き渡り、穏やかな午後の風景に命を吹き込んでいるようだった。
子どもたちの無邪気な動きに対し、大人たちはその場にただ静かに座っている。走り回ることも、声を張り上げることもなく、むしろ公園に溶け込むような存在感だ。公園の端に腰掛けている帽子を被った男もそうだった。子どもたちの楽しそうな姿には目を向けず、遊び声をBGMにスマートフォンを見つめている。まるで、自分の時間と外の世界を明確に切り分けているように見えた。
2017年6月 町角 東京 | |
ベンチ こども 向島 公園 |
No
10186
撮影年月
2016年11月
投稿日
2017年06月22日
更新日
2024年11月26日
撮影場所
東向島 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA