東向島の駅には、東武博物館という小さな博物館がある。名前から想像がつくように、東武鉄道が運営している。どうやら、かつて実際に走っていた列車がいくつか展示されているらしい。
東向島には何度も来たことがある。けれど、この博物館には一度も入ったことがない。特に理由があるわけじゃない。ただ、そういうタイミングがなかったのだと思う。でも、展示車両のいくつかは建物の外に置かれている。だから、わざわざ入らなくても、その姿を眺めることはできる。たとえば、あの写真に写っているのは、屋外に保存されている日光軌道203号だ。
日光軌道203号は1958年に製造された路面電車で、1968年まで日光軌道という路線を走っていたそうだ。その後、路線が廃線になり、この電車も役目を終えた。いまはここで静かに余生を送っている。もちろん、電車が「静かに余生を送る」という表現が正しいのかどうかは分からない。でも、少なくとも僕にはそんなふうに見えた。車体はひっそりとそこにあり、風の音や通り過ぎる電車の振動にじっと耳を傾けているようだった。
2017年6月 東京 乗り物 | |
向島 博物館・美術館 トラム |
No
10184
撮影年月
2016年11月
投稿日
2017年06月20日
更新日
2024年11月26日
撮影場所
東向島 / 東京
ジャンル
鉄道写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA