幅の広い靖国通りには歩道橋が架かっていた。その上に立ってぼんやりと往来を眺めていた。眼下では沢山の車が車道を走り抜けていて、大勢の歩行者が歩道を歩いているのが目に入ってくる。強い日差しを受けて、歩道を往く人びとの姿はみなシルエットになっていた。
顔が見えないと皆没個性で、有象無象が蠢いているように見えてしまう。そんなひとつのシルエットがちょうど横断歩道を渡り終えたところだった。僕の気分がそうさせるのかもしれないけれど、時間がゆっくりと流れているような気がした。個性を失った歩行者たちもゆったりと歩いているように見えた。
2015年12月 町角 東京 | |
神田小川町 歩行者 シルエット |
No
9579
撮影年月
2015年9月
投稿日
2015年12月02日
更新日
2023年10月03日
撮影場所
神田小川町 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SIGMA DP2 MERRILL