渋谷駅の前にいつも混雑しているスクランブル交差点がある。なかなか渡れない不便な交差点は、外国人旅行者にとっては観光名所になっている。渋谷のシンボルと言えば、忠犬ハチ公の銅像だと思っていたけれど、その地位は知らない間にスクランブル交差点に取って代わられてしまったようだ。
外国人旅行者は小さな犬の銅像に見向きもしない。忠犬ハチ公の背景にあるストーリーは面白いかも知れないけれど、駅前にあるのは単なる犬の銅像だ。犬の銅像を目にする代わりに、外国人旅行者はスクランブル交差点を渡る人びとにカメラを向けている。ただの交差点に見えるこのスクランブル交差点も、海外から東京を訪れた人びとには興味深いものなのだ。そう思いながら交差点を眺めていると、ニューヨークのタイムズスクエアで写真を撮る人の気持がわかったような気がした。
渋谷のスクランブル交差点はこの日も混雑していた。信号が一度青になると、人びとが歩道から溢れ出てきて車道は歩行者で埋め尽くされてしまう。まるで、この世には自動車なんてものは存在しないかのように。
2019年12月 町角 東京 | |
交差点 歩行者 渋谷 シルエット |
No
11315
撮影年月
2019年8月
投稿日
2019年12月09日
更新日
2024年01月07日
撮影場所
渋谷 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III