夜になっても、渋谷の町は賑わったままだった。僕は道端に立ち止まって、目の前を流れていく人の姿を眺めていた。人びとの姿はシルエットになっている。シルエットになると、人びとは皆匿名の存在になるような気がする。誰が歩いているのかなんて見分けるのは困難だし、そもそも誰が歩いているのかなんて問題にはならない。
目の前の緩やかな斜面を三人のシルエットが歩いていた。三人は道端にいる僕が誰かなんて気に留めていないし、僕は僕でやはり三人が誰かなんてことに興味はないのだった。
2007年3月 町角 東京 | |
歩行者 渋谷 シルエット 坂道 |
No
793
撮影年月
2007年2月
投稿日
2007年03月16日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
渋谷 / 東京
ジャンル
夜間写真
カメラ
RICOH GR DIGITAL