ダラにあった漁村の川辺には何隻かの漁船が修理のために陸に揚げられていた。この写真の木製のボートもそのうような一隻だった。傍らにはロンジーを穿いた男がしゃがんで、手にしたブラシで船体を塗り直している最中だった。真剣な顔で塗っていて、慎重に作業を進めているのが伝わってくる。
僕が見た時、男は白いペンキを塗っていた。船体には白以外にも幾つかの色が塗られている。男は船を様々な色で飾り立てようとしているようだ。このような感覚は日本人にはあまりないような気がする。日本人ならもっとシンプルな色使いをするのではなかろうか。でも、ここミャンマーの人びとはカラフルな方がお好きなようだ。ヤンゴンのダウンタウンでもしばしばカラフルな帽子をかぶっている人を見かける。
そういえば、ミャンマーの国旗も4色で彩られている。黄色は国民の団結、緑色は平和と豊かな自然環境、赤は勇気と決断力を示しているらしい。そして、中央の白い星はミャンマーが地理的・民族的に一体となるという意味が込められているのだそうだ。そう考えると、男は白いペンキを塗ることによって、誰かとの一体感を表そうとしているのかもしれない。
2018年12月 ミャンマー 人びと | |
ブラシ ダラ 漁船 ロンジー 男性 |
No
10825
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年12月11日
更新日
2024年01月25日
撮影場所
ダラ / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA