ダラで川辺を歩いていると、目の前に沢山の柱が出現した。この小さな集落にある家は川沿いの斜面に建てられていて、幾つもの細い柱に支えられながら床が道路と平行を保つようになっている。川辺から見ると、家々は高床式になっているように見えるのだ。確かに湿度の高いミャンマーでは都市から離れると高床式の家を見ることは多い。でも、この集落の家は湿度を避けるためというよりも、平地が少ないからこのようになってるように思える。
柱が組み合わさった場所は、家の床を支えるだけでなく、ものを干すためにも使われているようで、洗濯物が干してあったり、漁網が干してあったりする。でも、その柱の間を目を凝らして見てみても、排水管の類いは見当たらなかった。この小さな集落には電気は来ているものの(電線が通っているのは見えた)、水道は通っていないないようだ。飲水は近くの井戸から汲んでいるのだろう。
そのような状況にもかかわらず、村人の中にはスマートフォンを持っている人もいる。上下水道が整備されていないのに、スマホは持っている。なんだか文明化する順序が間違っているような気がしてしまう。でも、楽しそうにメッセージのやり取りをしている人を見ると、蛇口をひねれば水が出ることよりも、水洗式のトイレがあることよりも、人と繋がっていることの方が人間の欲望を充足しているのかもしれないと感じてしまう。
2018年12月 建築 ミャンマー | |
ダラ 漁網 家屋 洗濯物 柱 |
No
10824
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年12月10日
更新日
2024年01月25日
撮影場所
ダラ / ミャンマー
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA