ボーダーのTシャツを着た男が大八車の上で寛いでいた

コルカタで道端に大勢の労働者がたむろしているのを見かけるのは珍しくない。具体的に幾らなのかは知らないけれど、この辺りで人件費はとても安い。だからだろう。機械化がちっとも進まない。貨物の積み下ろしを含め、様々な作業を人間が行っているのだ。

町中の荷降ろし場を通りかかると、ここにも大勢の労働者がたむろしていた。今は荷を積んで来たトラックがないようで多くの人が休んでいた。大八車の上で休んでいたTシャツの男もそのひとりだ。

ボーダーのTシャツを着た男は、僕がカメラを構えているのを見ると微笑んでくれた。よく見ると、男のTシャツには英語で何かが書かれている。最初の方しか見えないけれど、「MORE MONEY....」と書いてあるようだ。この先にはどんな文句が続いていたのだろう。もっと金があれば、仕事なんて辞めてやると書いてあるのかもしれない。まあ、それは男の思いというよりも僕の思いだけれど。

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