とうとう帰国の日がやってきた。この日も相変わらずの暑さだった。飛行機の出発まで時間に余裕があったので、名残を惜しむように台北の街を歩いていた。
信号待ちの間、ふと視線を向けると、道の反対側が工事現場になっているのが見えた。おそらく新しいビルを建設しているのだろう。一階部分は緑色のフェンスで覆われており、出入り口らしきものはどこにも見当たらなかった。
ぼんやりとフェンスを眺めていると、一人の若い女性が現れた。彼女はフェンスの前をゆっくりと歩いていた。下を向き、どこか疲れた様子でトボトボと進んでいく。その後ろにある鮮やかな緑色のフェンスが、彼女の陰鬱な気分を浮き彫りにしているように見えた。
2017年6月 人びと 台湾 | |
伏し目 塀 台北 若い女性 |
No
10177
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年06月14日
更新日
2024年11月29日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM