桜の咲く頃になると、目黒川沿いは様相を一変する。いつもは都会を流れるなんの面白味もないような川なのだけれど、この時期ばかりは俄然耳目を集めるのだ。なにせ川沿いに桜の木が植えられているために、桜の花が満開になると大勢の人が目黒川沿いにやってくる。まるで普段は地味な高校生が、年に一度の文化祭の時だけ脚光を浴びているような感じだ。
昼過ぎだと多くの人で混雑していると思った僕は朝早く目黒川にやって来た。近くに住んでいると思われる人びとがのどかに散歩しているだけで、わざわざやって来たような人はほとんど見当たらない。人がいるいないに関係なく桜は満開なので作戦は成功だ。
川沿いにズラッと桜が咲いている姿は美しい。花見というと下から眺めるのが一般的なイメージである中、目黒区民センターのところにある橋の上からだと、ちょっと桜の花を下に見られるのが個人的にお気に入りだ。
橋の上に立ち止まって桜を眺めていたら、花の向こうに若い女性の姿が見えた。女性は桜の花の下、音楽に浸りながら散歩しているようだった。一心不乱にレンズを構えるよりも、ずっと優雅な時間の過ごし方のように思えた。
2021年10月 自然 東京 | |
桜 目黒 河川 若い女性 |
No
12049
撮影年月
2021年3月
投稿日
2021年10月04日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
目黒 / 東京
ジャンル
花写真
カメラ
RICOH GR III