ヤンゴン中心部の歩道は、露天商たちで活気に満ちている。歩道のあちらこちらで露天商が商売をしていて、彼らの持ち込んだ商品で歩道は賑やかだ。この国は国際的な制裁を受けているけれど、それにもかかわらず、町には果物が溢れている。この国の土地がいかに豊かであるかを物語っている。海外からの輸入品は限られているかもしれないが、国内で生産される農産物は十分にあるのだ。
写真に写る男も、そんな歩道で商売をしている露天商のひとりだった。肩に天秤棒を担いで、商品をここまで運んできたのだろう。男の前にはその天秤棒が置かれていて、両端の籠の中には大量のグアバが詰め込まれている。このグアバ、日本ではあまり見かけることのない果物だ。その場で試食させるためなのか、男は籠の中からグアバを取り出して皮を剥いているところだった。
グアバの香りが漂ってきそうな光景だった。歩道で行き交う人々にとって、男の籠に入った果物たちは身近で新鮮なご馳走であり、この賑わいが日常の風景なのだろう。天秤棒にぶら下がる籠が示すのは、シンプルな手法ながらこの土地の豊かさを支える小さな一端だった。
2017年3月 ミャンマー 人びと | |
帽子 果物 露天商 ヤンゴン 天秤棒 |
No
10056
撮影年月
2010年3月
投稿日
2017年03月01日
更新日
2025年01月23日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR DIGITAL