これから挙式する人びとが拝殿の中に吸い込まれて境内から姿を消すと、周囲は再び静寂に包まれた。もう雅楽は聞こえてはこない。僕のために演奏していた訳ではないので仕方がない。それに、もう伝統的な装束に身を包んだ人も見当たらないのだった。周囲にいる参拝客はみな普通の格好をしている。さっきまで楽人装束をした人が歩いていたなんて、まるで夢を見ていたかのようだ。僕は突如として現代に舞い戻ってきたかのような感じがした。
境内を歩き回って、もう神社を後にしようと参道の入り口に立ち止まった。参道は真っ直ぐに拝殿へと伸びている。そして、参道の最後には朱色に彩られた拝殿が建っているのが見える。ところどころには石造りの鳥居が立っていて、参道の両脇には木々が植えられていた。雰囲気は落ち着いている。もちろん、それにはこの神社の神職たちの努力もあるのだどうけれど、他の有名神社とは違ってマイナーで参拝客があまりこないことが大きいような気がする。
2018年9月 町角 東京 | |
赤坂 神社 鳥居 |
No
10739
撮影年月
2017年10月
投稿日
2018年09月21日
更新日
2024年01月29日
撮影場所
赤坂 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA