人混みの中に編笠を被った僧侶が辻立ちをしていた。手には托鉢用の器を持っている。何かを訴えるかのように叫ぶこともなく、通行人に声をかける訳でもなく、僧侶は静かに立っている。僕が眺めている間、誰ひとりとして僧侶に施しをする人間はいなかった。みな足早に僧侶の前を通り過ぎていくばかりだ。そのせいかどうかは分からないけれど、僧侶は伏し目になったままだった。
歴史的な経緯もあるのだろうけれど、このような光景を見ていると、同じ仏教の僧侶であっても、東南アジア諸国における僧侶とはかなり扱いが異なっているように見えて仕方がない。
2006年6月 人びと 東京 | |
托鉢 僧侶 新宿 |
No
442
撮影年月
2006年5月
投稿日
2006年06月06日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V