日本橋には老舗の百貨店がふたつある。そのうちのひとつである日本橋高島屋へやって来た。高島屋の創業は1831年に京都で古着・木綿商を開いたことまで遡るというから、もう200年近くも営業していることになる。東京に進出したのは1890年で、現在の日本橋店が建てられたのは1933年だという。戦前に建てられた店舗は石造りで重厚で、国の重要文化財にも指定されている。建設当時にモダンだった内装も今ではすっかり古くなって貫禄を醸し出していた。
問題は建物が古くなったことではなく、百貨店というビジネスモデル自体が古くなってしまったことだ。この日も週末だったのにもかかわらず、店内は混んでいない。消費者の多くは百貨店で買うよりもネット通販で買うことが多いのではなかろうか。買い物に訪れている人も、百貨店がキラキラしていた時代を知るような年配の人が多い。このような人たちが消費活動から退いたら、百貨店は完全に衰退する気がする。
お店の前の歩道も、店内と同じように閑散としていた。立ち止まって眺めていると、ふたりの人影がトボトボと歩いているのが見えた。
2019年10月 町角 東京 | |
百貨店 人影 日本橋 お店 歩道 |
No
11231
撮影年月
2019年5月
投稿日
2019年10月11日
更新日
2023年10月19日
撮影場所
日本橋 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III