ベルリンに空襲で破壊された旧教会堂の廃墟を戦災記念碑として残したカイザー・ヴィルヘルム記念教会があるのに対し、同じように第二次世界大戦で空襲された東京には戦争の被害を後世に伝えるような破壊された建造物が保存されていないような気がする。広島の原爆ドームに相当するものが存在せず、写真では東京大空襲で一面焼け野原にされた東京の姿が残っているものの、実際の痕跡は綺麗に拭われてしまって意識して探さないと目には入ってこないのだ。
そのような中、東大和市にある旧日立航空機立川工場変電所は戦争の痕跡が分かりやすく残っている数少ない建造物だ。東大和南公園に建つ飾り気のないコンクリート製の建造物の表面にはびっしりと弾痕が残っている。第二次世界大戦当時、この変電所は軍用航空機や航空機用エンジンの製造を行っていた日立航空機の工場内にあり、その結果アメリカ軍からの機銃掃射を受ける羽目になったのだ。そこかしこに残っている銃痕はあまりにも生々しくて、平和な時代に生まれ育った人間が見ると映画のセットなのではないかと思ってしまうくらい生々しい。
2022年8月 建築 東京 | |
東大和 穴 窓 |
No
12353
撮影年月
2022年6月
投稿日
2022年08月20日
更新日
2023年08月11日
撮影場所
東大和 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85