ジャカルタのファタヒラ広場を出て、今度は南に向かった。観光地になっているファタヒラ広場付近は歩行者天国になってはいるものの、のんきに歩けるエリアはすぐに終わり、コタ地区には大きな通りが走っていた。
ホーチミン・シティやバンコクなどと同じように、ここジャカルタも交通渋滞で悪名高い。東南アジアは急速に発展したので、道路の整備が追いついていないのだろう。道路の数は同じままなのに、所得が増えるに連れ、家庭が所有するバイクが1台、2台と増えていき、さらに所得が増えると自動車になる。その結果、道路はバイクと自動車でいっぱいになってしまう。
そのような状況を当局は手をこまねいている訳でもない。ジャカルタを南北に走るハヤム・ウルク通りにはバス専用レーンが設けられているし、ジャカルタMRTやLRTジャカルタという鉄道網の整備もされている。経済発展に応じてインフラを整えるのはどこの国でも同じだろう。ここジャカルタではインフラ整備を行いつつ、インフラ以外にも渋滞を解消するシステムが導入されているのが興味深い。
システムで興味を引くのはThree-In-Oneという規制だ。かつてラッシュアワーの時間帯に行われたこの規制は、1台の車に少なくとも3人乗っていないと通行してはいけないというものだ。そのため、規制エリアの手前に幼い子供連れたお母さんが道路脇に並んで、1人しか乗っていない車に乗り込んで人数合わせに協力した上に小遣い稼ぎをするということが横行したのだという。絵に書いたようなデザインの失敗なのだけれど、これは2016年まで行われていたようだ。
ハヤム・ウルク通りの交差点に立っていた。信号待ちしている車両の先頭にはいくつものバイクが並んでいた。その中の1台は、いまでもThree-In-Oneのルールを遵守しているかのように4人が1台にまたがっていた。そして、一番前に乗っていた若者がこちらを横目で見ていた。
2020年5月 インドネシア 人びと | |
ヘルメット ジャカルタ バイク 四人組 |
No
11535
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年05月21日
更新日
2023年09月04日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF