コルカタの町角で男が店内に腰を下ろしていた。男の横にある棚の上には使い回しのペットボトルが沢山並んでいる。中には色の付いた液体が入っているのが見えた。サラダ・オイルのような色をしているけれど、サラダ・オイルではない。ここは食材を扱うお店ではないのだ。ペットボトルに入っている液体はどれもガソリンだ。ここは一見すると、何の変哲もない普通のお店に見えるけれど、実際はガソリンや軽油の販売所なのだ。
ここにはガソリンスタンドにあるようなガソリンを貯蔵するタンクは設置されていない。客が来ると、写真の男性がのこのこと客の車両に近寄り、ペットボトルを使って直接車両のタンクに注ぐという仕組みになっている。ペットボトルから直接給油するのだ。いわば棚の上に見えるペットボトルそれぞれが貯蔵タンクでもあり、給油機そのものでもあるのだ。
男は店内でくつろいでいて、カメラを向けると微笑んでくれた。でも可燃性の液体が満杯になっているペットボトルが何本も置かれている横でくつろぐのは怖くないのだろうか。微笑んでくれているところを見ると、怖くないんだろうな。僕だったら怖くて心が休まることがないような気がしてならない。
2011年11月 インド 人びと | |
コルカタ 男性 ガソリン ペットボトル お店 |
No
5862
撮影年月
2011年6月
投稿日
2011年11月03日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
コルカタ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
OLYMPUS PEN E-P2
レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42MM