タイのバンコクで撮影。
狭い路地だけでなく、大通りに面した場所にもお店が並んでいた。こちらには衣料品店が多いようだ。でも、客の姿はほとんどない。店頭に並べられて商品たちも、手に取ってくれる人が現れないのでどことなく寂しそうに見える。店が密集して人で賑わっていた路地の中とは雰囲気は全く異なっていた。
そのような状況の中で、写真の店員の男は暇そうにしていた。仕方が無い。誰も客が来ないのだから。男は店頭に出したプラスチック製の椅子に腰掛けて、ぼんやりとつっかえ棒の先端の方を眺めていた。おそらくは何遍も何遍も眺めたことのある場所を、致し方なく眺めているようだった。