インドといえば、多くの人がヒンドゥー教徒ばかりだと思いがちだが、実際にはヒンドゥー教徒は全人口の約80%を占めるに過ぎず、その他にも多くの宗教が共存している。イスラム教徒は全人口の約15%で、日本の総人口を上回る人数がインド国内に住んでいる。また、キリスト教徒が2.3%、シク教徒が1.7%、仏教徒が0.7%、そしてジャイナ教徒が0.4%と、それぞれの宗教が一定の存在感を持っているのが特徴だ。
そんな多宗教国家の中で、ムンバイにはジャイナ教の寺院が点在している。ジャイナ教は、紀元前6世紀頃に仏教と同時期にインドで興った宗教で、バラモンの権威や祭式を否定し、ヴェーダや創造神の存在も否定する。その代わり、解脱を目指し「正しい信仰」「正しい知識」「正しい行い」の「三つの宝」を重視するという独特の教えを持つ。
ジャイナ教徒の特徴として、「アヒンサー(非殺生)」の教えが挙げられる。物の本によると、彼らは生物を殺さないように細心の注意を払い、地面を掃くために箒を持って歩くといった描写が見られる。しかし、実際にムンバイのジャイナ教寺院を訪れてみると、箒を持った人たちが闊歩している光景は見られなかった。その代わり、仏教の袈裟に似た衣装で右肩を露わにした人々が、静かに歩き、祈りを捧げているのが印象的だった。
2025年1月 インド 人びと | |
象 ムンバイ 宗教 寺院 |
No
12771
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年01月22日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF