その昔、今の二子玉川駅は二子玉川園駅という名称だった。「園」という一字が付いていたのは、この駅の近く(今の二子玉川ライズのあたり)に二子玉川園という遊園地があったからだ。今では跡形もないけれど、二子玉川駅は遊園地の最寄り駅だったのだ。
二子玉川ライズ、玉川高島屋S・Cをはじめとした商業施設のある現況から、遊園地のあった時代を思い起こすのは難しい。しかし多摩川沿いに遊園地があったのは二子玉川だけではなかった。多摩川駅(ここもかつては多摩川園という駅名だった)にも遊園地があったし、向ヶ丘遊園駅には向ヶ丘遊園があったし、京王多摩川駅には京王遊園があった。東京と神奈川の境を流れる多摩川沿いにはいくつも遊園地があったのだ。
多摩川沿いに遊園地が設けられていたのは、この辺りが都心からちょっと離れて行楽地に適していたからだ。鉄道各社が鉄道の利用者促進策として遊園地を運営していたので、いくつも遊園地があったというわけだ。それが交通網が発達した結果、行楽地は都心に通勤できる住宅街に変貌し、もはや利用者促進策は不要になり遊園地は姿を消したのだ。写真の手を繋いだ令和の親子が向かうのも、遊園地ではなくショッピングモールだ。
2024年1月 町角 東京 | |
二子玉川 親子 シルエット |
No
12551
撮影年月
2023年6月
投稿日
2024年01月03日
撮影場所
二子玉川 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF