閑散としていたワット・スワランラームの境内を出て、運河沿いに伸びる道を歩いていた。運河の両脇には住居が密集していて、その間を細い路地が走っている。穏やかな空気が周囲には漂っていた。歩いていると、時折地元の人の姿を見かける。写真を撮らせてもらおうと地元の人に声を掛けると、不思議なことに異口同音に同じことを言ってくる。どうやら、ピクチャレスクな場所が近くにあるらしい。
最初は何を教えてくれているのか分からなかったけれど、皆が何を僕に伝えたかったピクチャレスクな場所が何だったのか分かるのまでそう時間はかからなかった。ここにはバーン・ブーと呼ばれる地区には歴史のある鍛冶工房があるのだった。
入り口には誰もいないので、勝手に中へと入っていく。中には火処が設けられていて、鍛冶職人が黙々と仕事をしていた。写真の男もそのひとりだ。男は長いはしで金属製の器を挟んで、火処で熱していた。ただでさえ、バンコクは暑いのに、火処の周辺はさらに暑い。サウナの中で仕事しているようなものだろう。
2018年9月 人びと タイ | |
バンコク 職人 火 |
No
10724
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年09月08日
更新日
2024年02月01日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA