バンコクで歩いていた通りには商店が立ち並んでいた。暑かったので、どのお店にも気怠さが充満していた。このような気候の中でテキパキと働くのは至難の技に違いない。どのお店も静かに暑さが通り過ぎ去ってくれるのを待っているかのように静まり返っていた。シャッターは開いていても、働いている人の姿はほとんどない。タイのような南国では、エアコンがないと仕事にならないのだと思う。あまり言及されることはないけれど、ASEAN諸国の発展の裏にはエアコンという文明の利器の普及が欠かせなかったと個人的には思うのだけれど、どうだろう。
とある商店の店先に女性が腰を下ろしていた。女性の前には束ねられた木材が幾つも転がっている。でも、女性の視線はどこか遠くを彷徨っているばかりで、動いて何かを始めようとする雰囲気は微塵も感じられなかった。女性はすっかり気怠い南国の暑さに飲み込まれてしまっているかのようだ。時間ばかりが静かに流れていく。僕だって、出来ることならこのような暑さの中では仕事はしたくない。
2018年4月 人びと タイ | |
バンコク 怠惰 シャッター 店頭 木材 女性 |
No
10507
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年04月06日
更新日
2024年02月27日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA