バングラデシュ北部の街、ロンプールの埃っぽい裏通りを当てもなく歩いていた時のこと。開け放たれた開放的な工房の中で、ふたりの男の子が黙々と大工仕事に精を出していた。ふたりともまだ随分と若い。親方の下でしごかれている修行中の身なのか、それとも既にいっぱしの職人として日銭を稼いでいるのかは定かではないが、少なくとも僕のように得体の知れないカメラをぶら下げてうろついている異邦人よりは、よほど世の中の役に立つ時間を過ごしていることだけは間違いない。
作業台の上には削りかすが散乱し、彼らは一本の角材にカンナをかけているところだった。日本の大工が使う鉋(かんな)は手前に「引いて」削るのが常識だが、世界的に見れば西洋鉋のように「押して」削る様式の方が主流であるという。彼らが扱っているカンナも、日本のそれとは随分と形が違っていた。削る木材の幅に対して不釣り合いなほどに大きく、両側に無骨な取っ手がついている。手前の少年がふと鉋がけの手を止め、こちらのレンズをじっと見つめ返してきた。
| 2010年4月 バングラデシュ 人びと | |
| 大工 ロンプール 木材 青年 |
No
4013
撮影年月
2009年9月
投稿日
2010年04月28日
更新日
2026年03月12日
撮影場所
ロンプール / バングラデシュ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM