香港では、空がやけに狭く感じられる。高層ビルがぎっしりと並び立ち、視界のほとんどを覆ってしまうからだ。見上げても、わずかにのぞく青空があるだけで、それさえも四角く切り取られてしまっている。
湾仔の露店が並ぶ通りを歩いていると、その感覚はいっそう強くなる。そんな通りの片隅で、ひとりの男性が店先の商品をじっと見つめていた。地面と壁に挟まれた細い隙間のような空間に、人の声、買い物袋の音、店主の呼び声、すべてがひしめきあっていた。
ぎゅっと凝縮された熱と暮らしが詰まっているのが香港という都市の、少し息苦しくて、それでも不思議に魅かれる理由なのかもしれない。
2025年6月 香港 町角 | |
路地 男性 出店 湾仔 |
No
12885
撮影年月
2024年9月
投稿日
2025年06月29日
撮影場所
湾仔 / 香港
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF