干物を売っていた魚屋の隣は楽器屋だった。こちらもやはり観光客向けではない。売っていたのはタイの伝統的な楽器ではなく、日本でも売っている西洋の楽器だった。店先には幾つものギターが並べられている。そして、その横には小太りの青年が腰を下ろしていた。このお店の店員のようだ。
お店の前の通りを歩いているのは、僕のような観光客ばかりで楽器を買いに来たように思える人は少ないだろう。お店に立ち寄る人はほとんどいないようだ。そのせいで、青年は時間を持て余しているようだ。売り物のギターを抱え、ひとりで弦を弾いていた。奏でていたメロディーはロックなものだった。他のアジア諸国と同じように、タイでもアメリカ文化に対する憧れが強いのだろう。なんだかんだと言いながら、若者はコカ・コーラをグビグビ飲み、ハリウッド映画でカタルシスを得ているのだ。まぁ日本と変わらない。
ひととおり弾き終えると、青年は脇で聞いていた僕の方を向いた。そして、笑顔で親指を立てたのだった。
2018年8月 人びと タイ | |
バンコク ギター サムアップ 青年 |
No
10702
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年08月22日
更新日
2024年02月03日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA