若いクーン売りの写真を撮っている時から、その背後に女性がまるで交代要員のように立っているのには気がついていた。この女性は刺青を腕に入れていたクーン売りの同僚でもあり、奥さんでもあるのだろう。平たく言えば夫婦二人でクーン売りの屋台を営んでいるのだ。女性はひっそりと建物の壁際に立って、黙々と働いている夫を眺めていたのだった。
そのような状況だったから、この女性も僕がこの女性に気がついているのと同じように、主人のことを僕が写真に撮っているのに気がついていた。でも、まさか女性自身が被写体になるとは思っていなかったようだ。主人の写真を取り終え女性にカメラを向けると照れていた。そして、口元に笑みを浮かべながら控えめな横目で僕のことを見ている。ファインダーの中の女性は金色のネックレスをして、パステルカラーの服を纏っていた。女性の恥ずかしそうな微笑みとは対象的に、服の上ではカラフルな花が力強く咲き乱れていた。
2018年11月 ミャンマー 人びと | |
恥ずかしがり屋 花柄 ネックレス ヤンゴン 若い女性 |
No
10807
撮影年月
2018年9月
投稿日
2018年11月24日
更新日
2024年01月25日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA