外観はどれも同じように見える集合住宅が立ち並ぶ高島平団地も、建物によって中の構造が違う部分もあるようで、64棟も建っている集合住宅の中には光庭を持つ建物もあった。
光庭とは採光や通風のために設けられる空間で建物や壁で囲われた庭のこと。そういう意味では僕が団地の中で遭遇した空間は光庭ではないかもしれない。周囲をびっしりと居室に囲まれていて通風するという役目を果たせていないようだったし、なにしろ暗い。光庭という名前とは裏腹に昼間でもちょっと暗かったのだ。
裏世界のように薄暗い光庭には、同じように表舞台にあまり出てこない配管がめぐらされていて、一見すると工場のよう。一番下に回路のように配管が走っていて、ここから各居室に伸びているようだ。
このような配管は見た目を重視して、壁の中に埋め込まれるのが多いような気がするけれど、ここでは見た目よりもメンテナンスの容易さを重視したかのようだ。じっと眺めていると、この空間は採光や通風のために作られたものではなく、これらの配管のために設けられているような気がしてくるのだった。
2021年10月 建築 東京 | |
アパート パイプ 高島平 |
No
12066
撮影年月
2021年4月
投稿日
2021年10月21日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
高島平 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF