路地の片隅に年配の男性がしゃがんでいた。男性の前にはバケツやら、タライやらが幾つも置かれていて、ちょうど洗っているところだった。男性はTシャツにサンダル姿だし、路地の奥にはバイクが沢山駐められているのが見える。ここにはお洒落な雰囲気はない。どこからどう見ても、ジャカルタの平均的な住宅街の雰囲気だ。
でも、ここはジャカルタの中心部にどしんと構えているグランド・インドネシアからそれほど離れた場所ではない。ジャカルタ随一の高級ショッピング・モールから程近いところだった。おそらく歩いても10分くらいだろう。それでも、グランド・インドネシアで感じたような高級感はもうどこにもなかった。
やはりグランド・インドネシア付近の瀟酒な町並みは、ここジャカルタでも例外的なものなのだろう。この辺りとショッピング・モールの辺りとどちらが本当のジャカルタかと問われれば、こちらのTシャツとサンダルの男性がいる世界の方が本当であると言わざるを得ない。インドネシアは発展しつつあるとはいえ、一人当たりのGDPは4000ドルに満たない国だ。そして、何よりもこちらのような道を歩いていた方が楽しい。まあ個人的な感想だけれど。
2020年9月 インドネシア 人びと | |
盥 バケツ ジャカルタ 老人 |
No
11663
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年09月09日
更新日
2024年01月06日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF