公園の一角でマークルックと呼ばれるタイ将棋を指している男たちは険しい表情をしている人が多かった。もちろん、陽気に声を上げながら指している人もいて、突然現れた僕に話しかけてきたりするけれど、大多数の人は黙々と指している。まるでそれが仕事であるかのように真剣に指しているのだった。ひょっとしたら、みなお金を掛けて将棋をしているのかもしれない。それならそれである程度真剣な顔付きで指しているのも納得だ。もっとも、その確信は得られなかったけれど。
ストライプのシャツを着た男も、他の男たちと同じように真剣な表情で指していた。自分の番が来ても、すぐには駒を動かさない。しばし考え込んでから慎重に駒を動かしている。男の視線は将棋盤の上に釘付けになっていて、僕がすぐ近くに立ち止まっても僕のことを一瞥することさえ無かった。まあ、お金がかかっているとしたら、見知らぬ外国人の相手をしているような余裕がないことは仕方のないことだろう。
2018年6月 人びと タイ | |
バンコク チェス 険しい顔つき |
No
10602
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年06月12日
更新日
2024年02月10日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA