ソウルの街角にある公園で、数人の男たちがチャンギに興じていた。チャンギとは二人で行うボードゲームで、日本の将棋に似ているため朝鮮将棋とも呼ばれている。起源は日本の将棋と同様、紀元前の古代インドで考案されたチャトランガに遡るというから、血縁関係はかなり濃い。つまり、将棋がいとこなら、チャンギはその従兄弟あたりだろう。韓国のソウルでこれを見かけても、さほど不思議ではない。
ソウルを歩いていると、屋外で朝鮮将棋や碁に没頭している人をよく見かける。公園の一角に将棋盤を据え、知らぬ間に観客まで集まっている光景は、この街では日常の一部らしい。日本にも将棋好きは多いが、彼らはたいてい将棋クラブや囲碁会館に集まり、屋外で腰を据えて指す姿はあまり見ない。日本の公園では、鳩かジョギングの人が主役だが、ソウルでは盤と駒が主役になる。文化の違いというものは、案外こうしたところに現れる。
盤を覗くと、日本の将棋盤にはない斜めの線が引かれている。駒の形も文字も微妙に違い、知っているようで知らない。男たちは無言で、しかし確信に満ちた手つきで駒を動かす。しばらくすると一人が駒をつまみ、ためらいもなく前へ出した。良い手なのか悪い手なのか、外野の僕には判断がつかない。兄弟関係にあるとはいえ、動かし方が同じとは限らないのだ。
| 2008年10月 人びと 韓国 | |
| チェス 指 ゲーム 手 ソウル |
No
2102
撮影年月
2008年6月
投稿日
2008年10月14日
更新日
2025年12月25日
撮影場所
ソウル / 韓国
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM