インドのマルダの町を歩いていると、いかつい顔の女性が、まるで門番のように僕の前に立ちはだかった。白いサリーを纏い、鼻にピアスを光らせている。目つきは鋭く、日差しを反射した黒い瞳がこちらを射抜くようだった。写真を撮っていいかと視線で問いかけても、彼女は何も言わない。ただ、頷くでもなく、拒むでもなく、そこに立ち尽くしている。その沈黙が、むしろ「好きにしなさい」と言っているようにも思えた。
インドの女性が鼻にピアスをつけるのは、単なる装飾ではない。アーユルヴェーダの考え方では、鼻は女性の生殖器官と関係があり、健康や出産の象徴とされるらしい。だから、彼女のピアスもただの飾りではなく、彼女自身の誇りの印なのかもしれない。
2014年2月 インド 人びと | |
鋭い視線 マルダ 鼻ピアス ごつい顔 女性 |
No
8305
撮影年月
2011年6月
投稿日
2014年02月06日
更新日
2025年10月07日
撮影場所
マルダ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM