ファタヒラ広場から離れて、北に向かって歩いていた。観光客と思しき人はほとんど歩いていない。そもそも歩いている人が少なかった。僕は誰に声を掛けられることもなく、黙々と旧バタヴィアであるコタ地区を歩いていた。
広場から北に進んで行くと川が流れていて、川沿いをさらに北に向かっていた。淀んだ川に気を取られていると、突然南仏プロヴァンスに迷い込んでしまったかのような気分に襲われる。川の上にゴッホの「アルルの跳ね橋」に描かれているような跳ね橋が架かっているのだ。このコタインタン橋は1628年に架けられたものを、1938年に下を船が通れるように跳ね橋に作り変えられたので、インドネシアに残る唯一の植民地時代の吊り橋なのだそうだ。歴史的な価値はあるのだろうけれど、下を流れる川はどよんと濁っているし、ビジュアル的にもあまり整えられてない。
跳ね橋を横目にさらに北に進む。すると鉄道高架橋の下に一台のバジャイが停まっていた。運転席には初老の男が腰掛けていた。僕のカメラを見ると顔を皺くちゃにしながら笑ってくれた。
2020年5月 インドネシア 人びと | |
運転手 顔 ジャカルタ 笑い 男性 皺 |
No
11524
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年05月12日
更新日
2023年09月05日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF