乗り込むつもりはないけれど、次から次へとやって来るミニバンの乗り合いバスを眺めるのが楽しくて、ジャカルタ・コタ駅の脇にある乗り合いバスの乗り場をウロウロしていた。何台もの乗り合いバスが僕の前に停まって、しばらくすると走り去っていく。でも、バスの車掌や差配する人間が僕に声をかけてくることはない。
ここジャカルタでタクシー業を営む人びとはアグレッシブに旅行者に営業をかけてくることはないのだ。観光名所であるファタヒラ広場で客待ちしている観光向けの馬車の御者であってもそれは同じだ。明らかに観光客である僕と視線が合っても、「ジャカルタを案内してあげよう」なんて話しかけられることはない。断る面倒がない反面、ちょっと寂しい気もする。
それでも、写真の乗り合いバスの助手席に座っていた男のように、物珍しさから声をかけてくる人もいる。僕の目の前に停車した乗り合いバスの窓から煙草を持った手を外に出しながら、若者は僕に視線を向けていた。たぶん、どこに行くのか尋ねられたのだろう。その問いかけに僕はカメラを構えて応じたのだった。
2021年3月 インドネシア 人びと | |
バス 車窓 煙草 ジャカルタ 青年 |
No
11839
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年03月08日
更新日
2023年08月27日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF