歩いていたエリアは問屋街らしく、多くのトラックが商品を問屋に運び込んでいた。路上には大勢の労働者が行き交い、その姿はまさに忙しなく動くムンバイの血流のようだった。しかし、ひとつ気づいたのは、日本では荷役作業の現場でよく目にするフォークリフトの姿が、ここには一台もないということ。ここでは全ての作業が人力で行われているのだ。
写真のトラックも例外ではなかった。その荷台にはタマネギがぎっしりと詰まった大きな袋が山積みになっている。それを下ろすのもまた人間の手によるものだ。労働者たちは袋を肩に担ぎ、トラックの荷台から次々と地面に運び下ろしていく。その動作には慣れた手つきとリズムがあり、まるで一連の作業が身体に染みついているかのようだった。
機械化が進んだ国ではすでに姿を消しつつある人力での荷役作業だが、ここでは日常の風景として生き続けている。汗を流しながら働く彼らの姿が、この町の活気を支えているのだと実感させられた。
2024年12月 インド 人びと | |
労働者 ムンバイ トラック 荷卸 |
No
12741
撮影年月
2024年5月
投稿日
2024年12月23日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF