外を歩いているはずなのに、ふとした瞬間、屋内をさまよっているような気分になることがある。香港の湾仔で歩いていた路地も、まさにそんな場所だった。左右からせり出した色とりどりのテントが、空を覆っている。青や赤のビニール屋根が視界の上部を埋め尽くし、その下にはびっしりと並ぶ屋台。靴下、帽子、スマホのアクセサリー、布地、鞄、時計──人ひとりがようやくすれ違えるくらいの通路に、生活の匂いがぎゅっと詰まっていた。
上を見上げても、青空はほとんど見えない。代わりに見えるのは、高層ビルの壁と、ぎっしりと並ぶ窓。そして頭上には、たわんだ電線や吊るされた照明。
この狭さ、この密度。これが香港なのだ。
2025年7月 香港 町角 | |
出店 傘 湾仔 女性 |
No
12889
撮影年月
2024年9月
投稿日
2025年07月01日
撮影場所
湾仔 / 香港
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF