白いヘルメットをかぶった儀仗兵が、台北にある忠烈祠の前で向かい合って立っていた。微動だにせず、まるで銅像のように静止している。見つめていると、動いているのは瞼くらいで、その静けさに思わずスタチューを演じる大道芸人の姿が頭をよぎった。
確かに、じっと動かない儀仗兵とスタチューを演じる大道芸人には共通点が多い。国家の威厳を示すためか、エンターテイメントとしてかの違いはあれど、どちらも徹底して動かないという点では同じだ。そう考えると、儀仗兵がもし仕事を辞めたとしても、優れたスタチュー芸人になれる素質を持っているに違いない。
ただ、一つ大きな違いがあるとすれば、儀仗兵には世話係がついていて、たとえ動かなくても側で汗を拭ってもらえる。しかし、道端で演じるスタチュー芸人の場合は、その役割まで自分でこなさなければならないだろう。それを思うと、彼らの静止は儀仗兵以上に過酷かもしれない。
2007年4月 人びと 台湾 | |
衛兵・守衛 ヘルメット 柱 神社 台北 |
No
853
撮影年月
2007年1月
投稿日
2007年04月19日
更新日
2024年11月20日
撮影場所
台北 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V