新橋駅で電車が来るのを待っていた。向かいのホームに目を向けると、そこにも電車を待っている人が見えた。電車が行ってしまったばかりなのだろう。プラットホームに見える人影はひとつだけだ。
人影の向こうにはちょっとしたスペースがあって、広場になっている。SL広場だ。ここは日本における鉄道の発祥地とされ、開業から100年を迎えた1972年に記念として設置された蒸気機関車「C11形」が展示されている。
日本の鉄道は新橋から横浜(今の桜木町駅)に向かって走り出した1872年が開業の年とされている。しかしながら、走り出した新橋駅は今ある山手線の新橋駅ではない。実際に走り出したのは汐留シオサイトのところにあった新橋駅なのだ。もともとの新橋駅は1914年に貨物専用となり、1986年には駅自体が廃止になってしまっている。そして、かつては烏森駅と呼ばれていた駅が新橋駅を名乗るようになって今に至っているのだ。
そのような歴史を知ると、新橋が鉄道発祥の地と聞く度に、ちょっとモヤモヤしてしまう。もっとも、展示されているC11型も、この辺りを走ったことのない蒸気機関車だけれど。
2019年9月 町角 東京 | |
人影 プラットホーム 新橋 駅 |
No
11199
撮影年月
2019年3月
投稿日
2019年09月18日
更新日
2020年01月16日
撮影場所
新橋 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III