細い路地を通り抜けると、大きな通りに出た。沢山の自動車が道を走っていて騒々しい。さっきまで静けさはどこかへ去ってしまい、あっという間に都会の喧騒に中に放り込まれた気分だ。
道路の端に一台のトゥクトゥクが停まっていた。後ろの座席には客の姿はないけれど、運転席には男が腰掛けていた。電話で話し込んでいる最中だった。客引きをしている雰囲気ではないから、わざわざ停めて話をしているようだ。男は仕事そっちのけで話をしている。でも、顔は穏やかだから恋人とでも話をしているのかもしれない。のんびりとした仕事で羨ましい。男はたとえ仕事中であっても、話したい人といくらでも話ができるのだ。この男が特別なわけではなく、タイでは一般的なのだろう。この世界には「過労死」なんていう言葉は存在しないに違いない。
ところで、このトゥクトゥクという名称はそのエンジン音に由来するのだという。トゥクトゥクトゥクトゥクと低い音を立てて走行するところから、その名が付いたのだとか。
2018年8月 人びと タイ | |
バンコク 携帯電話 運転手 タクシー |
No
10690
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年08月13日
更新日
2024年02月04日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA