ダマスカスにあるウマイヤド・モスクの中庭

ダマスカスのウマイヤド・モスク
シリアのダマスカスにあるウマイヤド・モスクで撮影 オザワテツ

大勢の参拝者が中庭を行き来していた

ウマイヤド・モスクの中庭は広大だった。石畳になっていて、表面はツルツルになっている。熱心な参拝客もいるのだろうけれど、中庭の端っこに立って様子を窺っていると、目立つのは子どもたちだった。子どもたちは歓声を挙げながら思い思いに走り回っている。歴史ある聖域も子どもたちの前では形無しだ。地元の子どもたちは、ちょっと広い公園くらいにしか思っていないに違いない。

意外なことに、この由緒あるモスクはキリスト教の教会だったところだ。しかし、徐々にこの地域がイスラム教徒に支配され始め、7世紀にはほぼ完全にイスラム化してしまう。それに伴い「洗礼者ヨハネ教会」と呼ばれていたこの教会もモスクへと改装され現在に至っているのだ。

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四角形平面のミナレット

イスラーム建築の世界史」によると、現在ウマイヤド・モスクとなっている場所は、かつては洗礼者ヨハネ教会というキリスト教の施設で、さらに時代を遡るとローマ神話の神様であるジュピターを祀った神殿だったのだという。聖地というものは場所自体に何かしらの力があるために宗教が変わっても聖地であり続けるのか、新しい支配者が前支配者の痕跡を消すために意図的に上書きするのか、どちらなのかはよくらからない。

いずれにしても、9世紀頃になるとウマイヤド・モスクには教会時代に作られていた塔を模しての四角形平面のミナレットが付け加えられることになった。この様式がアッバース朝の時代に北アフリカに伝播したため、モロッコなどで見られるミナレットはどれもこれもここのミナレットと同じように四角形平面をしているのだという。あのカクカクしたミナレットの源流はここウマイヤド・モスクのミナレットなのだ。

ダマスカスにあるウマイヤド・モスクの中庭ってどこ?

PHOTO DATA

No

207

撮影年月

2001年2月

投稿日

2005年10月15日

撮影場所

ダマスカス / シリア

ジャンル

建築写真

カメラ

CANON EOS KISS

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