ルアンパバーンの旧市街は、二つの川に抱かれるようにして存在している。ひとつは大河メコン、もうひとつが支流のナムカーン川だ。地図で見ると半島のような地形で、古い寺院や民家が折り重なるように並んでいる。王都として栄えた時代の名残りが、いまも木々の間からひっそりと顔をのぞかせている。
乾期のナムカーン川は水量が少なく、川底の石まで見えるほどだ。写真の中では、川の浅瀬に子供たちが見える。遊んでいるのか、魚を追っているのか、判然としないが、どちらにせよ彼らの時間はゆっくり流れている。川を渡る竹の橋は、村人たちの手作りだという。支柱も欄干も、どれも心許ない。だが、これでも雨季までは十分もつのだそうだ。やがて水嵩が増せば、橋はあっさりと流される。だが、人々は慌てない。水が引けばまた新しい橋を架けるのだ。
その繰り返しを聞いていると、まるでラオス式の輪廻転生の寓話を見ているような気分になる。壊れても、また戻ってくる。それを悲しむでもなく、誇るでもなく、ただ当然のこととして受け入れている。
| 2013年4月 風景 ラオス | |
| 橋 ルアンパバーン 河川 |
No
7416
撮影年月
2008年1月
投稿日
2013年04月10日
更新日
2025年11月17日
撮影場所
ルアンパバーン / ラオス
ジャンル
風景写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM