ジャカルタのガンビール駅をスルスルと出発した列車は、しばらくすると田園地帯の中を走っていた。車窓の外には畑が広がっていた。あぜ道が少し高く設けられていて、水田のように見えるけれど水は張られていない。畑だとしても畑には青々した草がまだらに伸びていて、何かを栽培しているような雰囲気ではなかった。畑の中で働いている人影もない。休耕中なのだろうか。
車窓から見える風景はどこからどう見ても田園地帯で、ジャカルタで目にしたような背の高いビルはどこにも見当たらない。このような風景を見ているだけだとこの国に2億5千万を超える人が住んでいるとは思えない。遠くに見える山の麓まで田園地帯が続いているかのようで、のどかな世界が広がっているのだった。
ぼんやりと車窓を眺めていると、あぜ道を歩いている男が視界に入ってきた。長い棒を組み合わせた不思議な物体を手に持って歩いていた。何か仕掛けのように見えるけど、その正体は分からない。何だろうと思って目を凝らしたときには、もう遅かった。列車は猛スピードであぜ道を歩く男を置き去りにしていた。
2020年12月 インドネシア 風景 | |
畑 カラワン県 山 |
No
11769
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月24日
更新日
2024年01月06日
撮影場所
カラワン県 / インドネシア
ジャンル
風景写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF