傘の付いたサイクルリクシャーにまたがった男が頬杖を突きながら往来を眺めていた

写真の男はリクシャワラーだった。カトマンズの町角にある小さなヒンドゥー教の寺院の横にサイクルリクシャーを停めて客待ちをしていた。

男の愛車には傘が取り付けられていた。地元の人にとっても、ここの日差しは強いようだ。ネパールではときどき日傘の付いたサイクルリクシャーを見かける。同じように日差しの強いミャンマーでも日傘を取り付けたサイカと呼ばれる自転車タクシーを見かけるし、インドネシアでも傘の付いた日傘を付けたベチャという自転車タクシーが走っている。でも、不思議なことにインドやバングラデシュでは見かけないような気がする。同じように日差しの強い場所でも、国によって日傘を取り付けたり、取り付けなかったり、日差しに対する感度が違うような気がした。

写真の男が客待ちしているのは町の中心部で賑わっている場所だった。大勢の人が男の前を行き来している。でも、残念ながら、なかなか客はやって来ないようだ。男は暇そうだ。雑踏の中に僕の姿を見つけた男は、頬杖を突きながら僕のことを面白いものを見つけたかのように眺めていた。

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