浅草寺の本堂の出入り口に立っていた。お参りに向かう人は次から次へと本堂の中に消えていくし、お参りを終えた人は次から次へと本堂から出てきていた。参拝を終えた人びとは心なしかみな清々しい顔をしている。そんな光景を眺めていると、この本堂は次から次へと人びとを飲み込んで、顔を清々しく変えた後で吐き出し続ける機械のような気がしてきた。
しかしながら、いつも誰でも清々しい顔に変えられるというわけでもなさそうだ。ふと視線を上げると参拝を終えた人混みの中に女の子が見えた。本堂から出てきた女の子は手に一輪の花を持っていて、どこか不安そうな顔だった。清々しく変える機能が働いていない。キョロキョロしている女の子を見ていると、いかに信仰を集め強力な本堂であっても清々しい顔に変えられないこともあるのだと知らされた。
2007年6月 人びと 東京 | |
浅草 花 女の子 浅草寺 |
No
953
撮影年月
2007年5月
投稿日
2007年06月28日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
浅草 / 東京
ジャンル
スナップ写真
カメラ
CANON EOS 1V