日本で仏教寺院というと、奈良の東大寺や京都にある西本願寺と東本願寺に代表されるように木造建築のイメージが強い。実際には鉄筋コンクリートで建てられていても、浅草寺の本堂のように素知らぬ顔で木造のような振りをしているところもある中、築地本願寺は潔い。1934年に建てられた本堂に木造らしさはどこにもない。鉄筋コンクリートで作られた築地本願寺はインドやネパールに建っている石造のヒンドゥー寺院を彷彿させる外観だ。
築地本願寺は古代インド様式をモチーフに伊東忠太が設計したもの。伊東忠太は欧米へ留学するのが常識だった時代に日本建築のルーツを訪ねるためアジアへ留学し、中国からインド・トルコを旅したというちょっと変わった建築家だ。そのような人が設計したのでこのような他に見かけない様式の仏教寺院になったと勝手に合点していたものの、そんな簡単な話ではないようだ。
伊東忠太が設計した他の建造物を見ても、築地本願寺ほど古代インド様式らしさを振り撒いているものはない。靖国神社にある遊就館や大倉集古館にインドらしさは感じられないのはもちろん、他に設計した仏教寺院を見てもインドを連想させるようなものはない。そう考えると築地本願寺には古代インド風でなければいけない理由があったのだろう。それがなんなのかはわからないけれど。
2022年2月 人びと 東京 | |
薄暗さ 入り口 寺院 築地 |
No
12175
撮影年月
2021年12月
投稿日
2022年02月13日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
築地 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35