缶コーヒーの空き缶が路上に落ちていた。誰もいない路上に落ちていた。風に吹かれてあっちにいったり、こっちにいったり転がっている。意思とは関係なく、風に吹かれるまま、絶えずコロコロと転がっていたのだった。
その姿は、まるで人間の人生のようだった。いや、そうじゃない。僕の人生のようだった。僕の人生も根なし草のようなものだ。そう思って空き缶を眺めると、不思議と親近感が湧いてきた。そして、しばらくの間、コロコロと転がる空き缶を眺めていた。
2005年7月 静物 東京 | |
缶 珈琲 地面 品川 |
No
112
撮影年月
2005年6月
投稿日
2005年07月02日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
品川 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V