新宿御苑にも秋が近づいてきていた。かつて高遠藩主内藤家の下屋敷だった苑内を歩いていても、秋の香りが満ち始めているのを感じる。屋外で寛ぐにはもうちょっと寒い。そのため小径の脇にあったベンチには誰も腰掛けていなかった。あまり人がいない苑内は、人間の代わりに木々と葉っぱが主役の座に躍り出たかのようで、ベンチの脇に伸びていた枝でも葉っぱも我が物顔でブラブラしていた。
しかしながら葉っぱは枝からおさらばする時期が刻々と近づいている。ほとんどの葉っぱは落ちてしまったものの、諦めの悪い葉っぱはまだ枝にしがみついていた。そんな諦めの悪い葉っぱを励ます意味を込めて、僕は静かにシャッターを切ったのだった。
2005年1月 静物 東京 | |
ベンチ 葉 新宿 新宿御苑 |
No
6
撮影年月
2004年11月
投稿日
2005年01月01日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V