つくづくビニール傘は便利なものだと思う。差していても透明のビニールで出来ているので視界が狭くなることもない。そして安い。最近はワンタッチ式のビニール傘もあったりして少々高いものも売られているとはいえ、せいぜい5百円程度だ。突然の雨に見舞われてもコンビニで数百円出せば傘を入手できるのはなんともありがたい。
その反面、傘そのもののありがたみは薄れてしまった。ビニール傘が壊れてしまっても直してまで使おうとは思わないし、電車に置き忘れてしまったとしても仕方ないとすんなり諦められる。使い捨てに近いビニール傘は大量消費時代の徒花だ。
昔訪れたミャンマーにはビニール傘のようなものはなかった。ミャンマーでは傘を使用する人は多く、雨が降ると町中に多様な傘が広がるものの、ビニール傘を差している人はいない。その代わりと言っていいのか、日本ではあまり見かけない傘の修理を生業にする人を道端で目にしたものだ。そこで傘は決して使い捨てではない。壊れても修理して使い続ける大切な道具で、日本におけるビニール傘とは比べものにならないほど地位が高いものなのだった。
2021年5月 人びと 東京 | |
バック・ショット 渋谷 傘 若い女性 |
No
11921
撮影年月
2020年9月
投稿日
2021年05月29日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
渋谷 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF