話しかけてきた三人組の不思議な役割分担

三人の若者
三人の若者

町の中心にあるヒンドゥー教の聖地を離れる。当然のことだが、神聖な場所から一歩外へ出れば、ナシークの町でも極めて世俗的な日常生活が営まれている。この地はインド神話の『ラーマーヤナ』ゆかりの場所だ。12年に一度開催される大巡礼祭クンブ・メーラの舞台としても広く知られている。しかし、聖域を少し外れると、スパイスの匂いとバイクの排気音が入り混じる雑多な路地裏にすぎない。そんな町をカメラを抱えて歩いていた。すると、向こうから三人組の若者がこちらの様子を窺いながら近寄ってきた。

著者 : 河田清史
第三文明社
発売日 : 2011-07-31

こちらの様子を窺いながら近寄ってきた三人組の若者のうち、二人は鞄を肩から斜めに掛けていた。その掛け方を見る限り、一見するとどこかの学生のようにも思える。しかし、よくよく彼らの顔つきを観察してみると、学生にしては些か年をとりすぎている気がした。たぶん、本当の学生ではないのだろう。インドでは歴史的な経緯から、英語が社会的なステータスやビジネスの準公用語として広く使われている。このたかだか三人の小さなグループの中にも、どうやら明確な役割分担があるようだった。僕に話しかけてくるのは、真んくにいる若者だけである。

その真ん中にいる若者だけが饒舌に話しかけてくる間、残りの二人は後ろに控えたまま、じっとこちらの様子を見つめていた。おそらく真ん中の若者がリーダー格なのだろう。三人の中で最も語学が達者な交渉役に違いない。右側の男は白いシャツを着てニヤリと不敵に笑っている。左の男はキャップ帽をかぶり、値踏みするような目を向けていた。一人にすべてを丸投げして後ろで神妙に佇む彼らのフォーメーションが、なんだか楽しかった。

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ENGLISH
2015年7月 インド 人びと
ナシーク 三人組 青年

PHOTO DATA

No

9368

撮影年月

2010年9月

投稿日

2015年07月18日

更新日

2026年07月12日

撮影場所

ナシーク / インド

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

CANON EOS 1V

レンズ

EF85MM F1.2L II USM

日本国外で撮影した写真

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